大野さんの無門 @虎狼のやから
今日漸く「忍びの国」を観ることができました。
映画を観るべく雑誌も読まず、予告の告知も本編はパスして新鮮な気持ちで挑んだよ。
公開から2週間経ち、劇場も小さな箱に移っていましたが、祝日という事もあってか沢山の人が忍びの国を見に来てましたよ。年配の方は時代劇のファンでしょうか、談春さんファンでしょうか、いや、石原さとみちゃんでしょうか、もうどなたのファンでも嬉しいです。
小さなお子さんも居ましたよ。本当に老若男女が次々と劇場に入ってきてました。
最初ね、伊賀と伊賀が何で戦うのよ?って所から始まり、冒頭の門が開く所で、まさに膝を打つって奴ですよ。だから無門なの!!
きっとそれはみなさんは知ってたんだろうけど、私くらい情報をシャットアウトすると、小さなことでも凄い「おおー」ってなる。
まぁ、泣いたよね、大野さんじゃないとこですでにぼろぼろにされた。
そういえばずっと前に会社の同僚が時代物にはまっていて、戦国時代の小説、借りて夢中で読んでいた頃を思い出したよ。親子、夫婦の在り方が戦国時代って、今の時代からすると独特。政略結婚であったり、人質であったり、君主を慕う家来の気持ちとか、我が身を捨ててもとか、親子で敵味方に別れるとか、うわっーと甦った。
あっ、本を読んだときの感動がね。
私の前世は武士とか言い出さないから安心して。
思えば戦国時代の映画、ドラマ沢山有って忍者も出てくるけれど、大抵は間者がお城の家臣に耳打ちで情報を知らせる位な登場ですよね?
忍者と武将の戦いをクローズアップした作品って余り無くて(私が知らないだけかも知れないですが)伊賀者ってここ忍びの国ではお金で働くプロフェッショナルな存在だったんだなぁ。情とかに左右されないように育ってきたんだなぁ。非情にならなければ伊賀で生きてはいけないんだなぁ。
それに対して武士の鏡の様な伊勢谷さんのだいぜんが。日置大善が。
今まで仕えていた君主を殺さなければならない所でもう我慢出来なくて泣けた。
殺さなければ自分が殺されるみたいな時代だから。
もうそれからの大善追うだけでもカッコいいの。
鈴木さん演じる下山平兵衛は伊賀の跡取り息子なのに、弟を金で買われた無門に殺されて、父親も伊賀も憎んで織田勢に加わるんだけれど、結局、自分が憎んで捨てた伊賀の「川」で無門と戦おうとするんだ。
アイデンティティーは伊賀なんだよ。
この皮肉なシナリオがせつないです。
あとで無門にも皮肉なシーンがあるんだよ。
知念くんも頑張ったね。
あのちーちゃんがあんな激昂した数々の表情を見せるなんて。
大善と信雄の軋轢も見応えのあるシーン。
全然歴史の予備知識なくても山崎力さんのナレーションがあって分かりやすいです。
「虎狼のやから」これテストに出ますからね。覚えておきましょう。
テーマは人との愛、人との絆でもあったりするから面白いと思う。
私なんかはあっと言う間に終わったよ。
ラストに向かうにつれ恥ずかしくもなく、ハンカチ握り締めて観てました。
無門の格闘シーンが前半はまさに舞いでした。
まあ、忍者だから本来であれば眼にも止まらぬ速さだからね、
ちょっとコミカルなのも後半の平兵衛とのまさに撮影も大変だったというあの格闘シーン、私も息をつめて見届けた真剣勝負との対比かと。
話題のカメラ目線もしっかり確認しましたよ。
そもそもが戦いの物語だから血生臭くなるのは当然なのでしょうが、そこはエンターテイメントとのバランスが大事かと。
見終わって劇場から出てきたら、見知らぬ小1位の男の子が「あー、面白かった」って後ろで言ってるの、誰かとしゃべっているのかと振り返ったら、独り言でしたよ。思わず、そう?面白かった?って話しかけたら「うん」って。こんな小さな子もおばさんも面白いと思える映画っていいよね。
あっ、外出ちゃった。
劇場に戻りましょ。
お国はそれなりのお屋敷のお武家様の娘を拐ってきたのね、無門、やるねー。
だからお国は肝が据わってる。
虎狼のやからの無門も敵わない。
個人的にはあー、そのまま何処かに逃げてってなるけど、お国さん肝が据わってるから。
無門には厳しいお国だったけれど愛していたんだなぁ、
大事なものをなくして気が付くことってあるんだなぁ、
大善の伊賀は滅びないってとこ、背筋がゾクッとしたなぁ、
ネタバレしないで面白さを表現するの難しいなぁ、
本当はもっと言いたいけどこれから観る方もいるだろうしね。
とにかく子供から大人まで楽しめて、大野さんファン、知念くんファンにはたまらない映画ってことです。
百聞は一見にしかず。